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ハコミセラピスト 倫理規定

 

ハコミセラピスト 倫理規定

                              制 定: 平成17年1月1日

 

(前 文)

 本倫理規定は、ハコミセラピストが自らの専門的な仕事を行っていく上で、その基盤となりうる一連の価値基準を提供します。セラピスト、ティーチャー、トレーナー、アシスタント、スーパーバイザーなど、その時どのような役割を担っているかに関わらず、ハコミセラピストが共通に目指すべきは、個々人および世界に対して癒しを提供し、人々の望みに沿ってその幸福の追求を支援することです。

 本規定は、ハコミセラピストが実際に遭遇するであろう様々な状況を網羅する、一般原則および意思決定ルールを供給するよう意図されています。その根幹にある目的は、ハコミセラピストが仕事上係わりをもつ個人およびグループを保護し、その安全を守ることです。そのためには、本規定を遵守するだけに留まらず、個々のハコミセラピストが、専門家として、できるだけ高い水準の言動や振る舞いを追求しつづけることを、自らの責任として強く自覚することも求められます。

注1)
本規定は、『米国ハコミ研究所』作成による以下の倫理規定を参考として、制定時点で日本に居住し、認定を受けているハコミセラピスト全員の同意を受けた上で、日本国内において適応すべき倫理規定として作成されたものである。
”Hakomi institute Code of Professional Conduct and Ethics” – August, 1993

注2)
本規定内において、次の各用語はそれぞれ以下のような意味で用いられている。
  「クライアント」     → 個人もしくはグループセラピーの被面接者
  「グループメンバー」 → 各種トレーニングやワークショップへの参加者
  「スタッフ」       → 各種トレーニングやワークショップの講師およびアシスタント
  「ティーチング」    → 各種トレーニングやワークショップで教えること

 

クライアントおよびグループメンバーへの責務

(第1条)
クライアントやグループメンバーとの関係において、さまざまな約束や予約時間を遵守することはもとより、専門家として信頼されるに足る態度や振る舞いを常に心がける。

(第2条)
クライアントと「複数の関係」を持つことによって生じがちな利害関係などの問題を避けるために、彼らとの間では私的な関係を避けなければならない。また、すでに私的な関係がある人へのセラピーはしないようにすること。止むをえない場合は、とりわけ注意を払うようにすること。

(第3条)
1.専門家としての関係が継続している間に、クライアントやグループメンバーと性的な関係を持ってはならない。また、そうした誘いをしてはならないし、誘いに応じてもならない。

2.過去に性的な関係のあった人をクライアントとして引き受けてはいけない。また、どうしても他に機会がない場合を除き、スタッフのいずれかと性的な関係があった人をグループメンバーとして受け入れることは避けるべきである(止むを得ず避けられない場合は、当該グループメンバーへのスーパービジョンや評価のプロセスにおいては細心の注意を払うこと)。

3.専門家としての関係が終了した後でも、最低2年間は、クライアントと性的な関係を持ってはいけない。また、最低1年間は、グループメンバーと性的な関係を持ってはいけない。さらに、その期間終了以降に性的な関係を持つ場合にも、それがクライアントやグループメンバーを傷つけるものではないことを、きちんと説明できる必要がある。

(第4条)
1.セラピーやトレーニング/ワークショップに参加を希望する人々に、ハコミセラピーでは身体への接触や、インナーチャイルドワークなどを行う可能性があることを知らせること。

2.セラピーの過程で身体的な接触を用いる場合(テイクオーバーなど)、それが性的なものにならないよう十分な注意を払うこと。また、それは事前にクライアントやグループメンバーの承諾を得た上で行うこと。

(第5条)
自分の経験と能力の限界を心得ていること。自分の能力では無理があると思われる場合は、そのクライアントを(ケースとして)引き受けてはならない。

(第6条)
自らの継続的な修練のために、同僚のセラピストやスーパーバイザーの助言を定期的に受けること。しかし、その際、当該クライアントやグループメンバーの名前や、その人を特定できるような各種の情報については、書面による彼らの同意なくして開示してはならない。

(第7条)
1.クライアントが終了を望むとき、あるいはそれ以上彼らの役に立つことができないと思われるときには、その専門家としてのサービスの提供を終了すること。

2.セラピーの終了に当たっては、特別な場合を除いて、終了という変化がクライアントにもたらす様々な影響、とりわけ良くない影響について十分考慮をした上でその決定を行うべきである。そして、さらにセラピーが必要な人には、適当なセラピストを紹介したり、セラピストの変更に伴う動揺をサポートすることが必要である。

3.セラピーの終了が適切であるのは、次のような場合である。
      a. クライアントが終了を望み、その準備があるとき。
      b. セラピーの継続がクライアントの利益にならないと思われるとき、もしくは
      終了がクライアントにとって一番いい結果を招くと思われるとき。
      c. セラピストとクライアントの間に利害の対立が生じたとき。
      d. クライアントが違法行為を行ったり、セラピー関係の枠組みを守らないとき。

4.セラピーの中断あるいは終了は、なるべく2ヶ月以上の準備期間を取ってクライアントに知らせるのがよい。セラピーを終了する、他者を紹介する、あるいは継続するなどの選択ついては、クライアントの希望にセラピストの専門家としての判断を加味して行う。

(第8条)
基本的人権に関して、最も高い水準を自己に求めるものとする。

 

秘密の保持

(第9条)
セラピーやトレーニング/ワークショップ等を通じて知りえた個人情報の秘密を守らなければならない。

(第10条)
秘密保持の例外は、書面による本人の同意、自傷や他害の恐れがあるなどの緊急時、もしくは法律や裁判所からの要請があった場合である。そうした同意は、(「全般的」な意味ではなく)特定の具体的な情報を開示することに関する、口頭ではない書面による同意であること。

(第11条)
クライアントやグループメンバーの情報を、ティーチング、研究、スーパービジョンなどの場で用いる場合は、「本人の同意」を得た上でその情報の「匿名性を保持」することが最善である。ただし、ケース検討会などの場で、(学びのための必要性から)事前の同意なしに言及するような場合には、匿名性の保持によりいっそうの配慮をした上で行わなければならない。また逆に、ビデオテープなど匿名性が保持できないメディアを使用する場合には、必ず事前の同意を得たうえで行うこと。

(第12条)
グループセラピーやティーチングを行うときは、そのすべての参加者に、グループの中で体験したことの秘密の保持を書面もしくは口頭で求めること。

(第13条)
セラピーを行う際には、各セッションについての適当な記録を行い、最後のセッションから5年間はその記録を保存すること。

(第14条)
セラピーの内容をテープやビデオ等に記録するときは、その目的や使用範囲を説明し、クライアントやグループメンバーから書面もしくは口頭での同意を得ること。

 

専門家としての責務

(第15条)
自分が受けたハコミ・トレーニングの範囲や質、経験などについての情報を、正直かつ正確に提供すること。また、その保有資格についても同様である。

(第16条)
セラピーあるいはトレーニング/ワークショップの案内や、ハコミセラピー自体の説明文を作成するにあたっては、以下の点に注意すること。
      a. 不適切な過大な期待を抱かせるものとはしない。
      b. セラピストの能力や資格に虚偽があってはいけない。
      c. 他のセラピーと比べてハコミのほうが優れているという表現は使わない。
       d. 自分が他のハコミセラピストよりも優れているという言い方をしない。

(第17条)
自らがセラピーやトレーニング/ワークショップで使用する技法や考え方の出処を明らかにし、それを創った人の功績を認め、そのオリジナリティを尊重すること。

(第18条)
ハコミの基本原理とこの倫理規程を理解し、それらを尊重しながらその仕事を行うこと。倫理的な問題に関して不明瞭な点が生じたり、困難を感じたときには、アドバイスやスパービジョンを求めるものとする。

(第19条)
仲間のハコミセラピストの行いがハコミ倫理規程に反すると思われるときは、建設的かつポジティブなやり方で助言すること。その際、そこに関係するクライアントやグループメンバーの個人情報に関する秘密保持への義務を尊重した上で行うこと。

(第20条)
本倫理規定に著しく違反し、その点に関して助言等を受けた後にも、その言動に改善が見られないような場合には、ハコミセラピストとしての認定を取り消されることがある。

 

以上

 

 
 

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